雲龍院からのお知らせ

雲龍院 秋の特別拝観と夜間ライトアップ2020

京都・東山の奥座敷で愉しむ極上の春。
凜とした空気と静寂が心地よい雲龍院。

雲龍院では毎年恒例行事となっております『雲龍院 秋の特別拝観2020』を2020年11月20日(金)〜11月30日(月)に開催させていただきます。今回の特別拝観では、珍しい左足垂下の雲龍院のお不動さん『不動明王半跏像』修復前の特別公開を行います。


右手は屈臂して右腹前で鉄製剣を執り、左手は屈臂して手先を前に出して肩辺まで上げて羂索を握り、右脚を横たえ、左足を垂下して岩座に坐す不動明王半跏像。 このたび、京都市の京都仏教美術調査会の詳細な調査により、雲龍院に安置されている不動明王像の修復が決定致しました。


不動明王の語源は、「動かない守護者」を意味し、暴風雨の威力を神格化したもので、破壊的な災害を起こす半面、雨によって植物を育てます。その破壊と恵みの相反する面は不動明王にも受け継がれています。不動明王は仏法の障害となるものに対しては怒りを持って屈服させますが、仏道に入った修行者には常に守護をして見守ります。


大日如来の化身として、どんな悪人でも仏道に導くという心の決意をあらわした姿だとされています。特に日本で信仰が広がり、お不動様の名前で親しまれています。不動明王の脇侍として八大童子のうちの矜迦羅・制多迦の2童子が配されることも多いです。


雲龍院の不動明王像は、左足垂下の珍しい形の不動明王像で、太造な迫力のある姿です。半跏不動像は、絵画作例では多くは右足を垂下し、左足を垂下する例は少ないようです。彫像では半跏像自体が希少ですが、京都・安楽寿院北向不動像は右足を垂下し、奈良・東大寺像は左足を垂下しており、本像の面相は大師様と十九観様が混ざった相となります。


不動尊像の制作年代は、独特の荒々しい作風のために判断し難いですが、両脇侍像とは異なる作風を示し、両脇侍像を江戸時代中期以降の制作とすれば、不動尊像は少なくとも江戸時代初期、あるいは室町時代に遡る可能性があります。


不動明王は、除災招福、戦勝、悪魔退散、修行者守護、厄除災難、国家安泰、現世利益のご利益があるとされます。普段は雲龍院本堂の右脇室に安置され非公開ですが、この度の修復決定に伴い、秋の特別拝観で特別公開させていただきます。  コロナ禍でたいへんな世の中を、静かに見守る不動明王像。するどい眼光で、早く平穏な世の中になるように願うお姿をごゆっくりとご覧ください。

特別拝観期間
2020年11月20日(金)〜11月30日(月)
夜間ライトアップは11月24日で終了致しました。
拝観時間
午前9時〜午後8時30分最終受付(午後9時閉門)
夜間ライトアップ
2020年11月20日(金)〜11月24日(火)
日没後〜午後8時30分最終受付
※雲龍院は昼・夜の入れ替えはございません
拝観料金
400円(雲龍院境内拝観は本山泉涌寺拝観料とは別途料金となります。)
新型コロナウイルス感染拡大防止対策について
  • ●新型コロナウイルス感染拡大防止のため、拝観時 はマスクの着用をお願い致します。
  • ●感染予防対策のため、境内が混雑している場合や 密な状況だと判断される場合には、拝観をお待ち いただく場合がございますのでご了承ください。
  • ●京都市の感染状況が悪化していると判断される場 合には拝観を中止させていただきます。